本水処理施設は、最終処分場から排出される浸出水を浄化することにより、処分場周辺の河川水および地下水の水質保全を図る上で極めて重要な役割を担っております。

近年、国内各地において短時間豪雨による水害が頻発している状況を踏まえ、令和3年（2021年）に竣工した本施設では、浸出水量の急激な増加に対応可能な体制を確立するため、二つの大規模な設備の増強を実施いたしました。
第一に、水処理施設の処理能力を従来より大幅に増強し、日量450㎥の処理が可能となるよう拡張を行いました。
第二に、処分場から発生する浸出水を一時的に貯留するための調整槽として、貯留容量14,700㎥を有する大規模な鉄筋コンクリート構造物を整備いたしました。

浸出水の処理は、生物処理、凝集沈殿、加圧浮上および高度処理等の各種工程を段階的に経ることにより進行し、継続的に実施している環境調査においても、周辺の河川水および地下水の水質に影響は確認されておりません。

本施設は、貯留量約14,700㎥の能力を有する高機能水処理施設であり、処理対象には、カルシウム（Ca）、重金属、ダイオキシン類等の有害物質のほか、窒素含有物、化学的酸素要求量（COD）、揮発性有機化合物（VOC）等が含まれます。加えて、残留するBOD（生物化学的酸素要求量）、COD、VOC成分の除去をはじめ、残留COD、重金属、浮遊物質（SS）、微細なSS、さらには色度および多様な有害物質の除去にも対応しております。特に、水銀や一般的な重金属イオン、大腸菌群等の除去も可能であり、安全性と環境保全を両立した高度な水処理を実現しております。